社労士のお助けブログ

短時間労働者への健康保険・厚生年金保険の適用の拡大と雇用保険マルチジョブホルダー制度

年の瀬を迎え、今年も残すところあとわずかとなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。さて今回は、「短時間労働者への健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」「雇用保険マルチジョブホルダー制度」についてのお知らせです。

1.短時間労働者への健康保険・厚生年金保険の適用の拡大

令和4年10月と令和6年10月、社会保険の適用対象が段階的に拡大されます。これまでは社会保険の適用外とされていたパートタイマーも、改正により新たな加入対象となり得るため、企業と従業員双方に大きな影響が予想されます。
対応に向けてのご準備はいかがでしょうか?

(1) 変更点

(2) 法改正に向けての準備

① 適用対象となる従業員のチェック
現時点で社会保険の適用外となっている短時間従業員の人数およびそれぞれの労働条件、働く実態がどのようになっているかを確認する。特に雇用期間については、例えば雇用契約が2か月以内であっても、実態として2か月を超えて雇用される見込みがあると判断される場合には、最初の雇用契約の期間から対象となる。

② 社会保険料の負担額をシミュレーション
適用対象が増加すると企業の社会保険料負担も重くのしかかる。予め資金計画をしておくためにも、シミュレーションを行う。厚生労働省の社会保険適用拡大特設サイトに「社会保険料かんたんシミュレーター」が用意されているので利用できる。
厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」

③ 短時間労働従業員への説明会や面談の実施
新たに社会保険の適用対象となる短時間労働従業員がいる場合には、必要に応じて説明会や個別の面談を実施する。できればスケジュールに余裕を持ったうえで、個別の面談を行う。会社の方針やどのような対応を行うのかを丁寧に説明していくことで、従業員の安心感にもつながる。
とくに配偶者の扶養内での仕事をしている場合などは、働き方の見直しが必要になるケースもある。従業員それぞれが納得のいく働き方を選択できるよう、制度や加入することによって受けられるメリットなどを丁寧に説明する。現在の短時間労働従業員の労働条件通知書や雇用契約書を用意しながら、現状の働き方とのかい離はないかなどもあわせて確認していくと、実態が把握しやすいと思われる。
個別面談を行うと、社会保険の加入を希望しないといった従業員も出てくるかもしれないが、要件に該当すれば本人の希望の有無にかかわらず加入しなければならない。そのような場合には、働き方自体の見直しが必要となる場合もあり、場合によっては、複数回の面談が必要になるかもしれないので早めの対応が必要となる。

④ 人員配置の見直し
従業員との話し合いのなかで、人員配置の見直しなどが発生する場合もある。加入対象者の特定を行い、各種助成金や補助金を活用できる可能性はないかなども合わせて確認しておく。

2.雇用保険マルチジョブホルダー制度

令和4年1月1日から、65歳以上の労働者を対象に「雇用保険マルチジョブホルダー制度」が新設されます。

(1) マルチジョブホルダー制度とは

従来の雇用保険制度は、主たる事業所での労働条件が1週間の所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込み等の適用要件を満たす場合に適用されます。
これに対して、雇用保険マルチジョブホルダー制度は、複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して以下の要件を満たす場合に、本人からハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができる制度です。

(2) 適用要件

① 複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること
② 2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること
③ 2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること

コロナウイルス感染症の動きも気になるところではありますが、皆様ご自愛くださり良いお年を迎えられますようお祈り申し上げます。

投稿者:特定社会保険労務士 矢野 淳子

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